腑に落ちない

今朝の某地方紙に
「夜間休日の小児救急診療は原則入院が必要な患者に限るとの声明を○○病院が発表」*1
とあった。
もう少し詳しく内容を読んでいると昨年の夜間救急(午後6時〜午前8時)を利用した小児は一晩あたり15人前後、年間では約6,000人。
そのうち本来の対象である入院が必要な二次救急患者は年間400人ほどで全体の6.7%である。残りは一時救急の風邪等で占められていた。
この中には「夜になっても寝付かない」などの理由での利用もあった。
こんなのはもっての他だと個人的には思う。
さて、小児科医不足が深刻になりつつある近年小児科医を目指す学生も少ない。
背景には小児科医の過酷な労働条件が上位の理由であると以前聞いた覚えがある。
そして近年ではモンスターペアレント(保護者)の増殖も拍車をかけている一因であろう。
だからこそ好きでなければ出来ないといわれるのかも知れない。
自分自身一人の親として子供が夜間に風邪が理由だとしても高熱が出てぐったりしていたりしたらあわてて夜間救急へ連れて行くと思う。
慌てて冷静に見れなくなるだろう。
今までに夜間に救急外来へ走った事は無いが、医者の休診時間に救急外来扱いで受診した事はある。
そんな時必ずといって良いほど(すべてではないが)電話口では横柄な口調で
もう診察終わってるから明日にしてください
と言ったような言葉を何度も受けた。
そんな事があるから診察受付終わってるのを承知して申し訳ない気持ちを持ちながらの電話にもカチンと来る。
今までの経験の中で一番納得できなかったのはまだにぃにぃが1歳を迎えてない頃の事。
我が家はツインズであるが為、個人病院で出産するつもりであったのが大事をとって総合病院への転院を有無を言わせずにさせられた。
そして出産した病院の方が色々わかるだろうと思い定期健診等はわざわざ総合病院へ通っていた。
定期健診の折、にぃにぃに肛門周囲膿瘍が発覚。
小児科から大人と同じ外科へ回され手術をしないといけないと言われる。しかも全身麻酔での手術だという。
手術であるからには入院が必要である。
だが我が家にはもう一人1歳にならない子供がもう一人居る。妹ちゃんである。
にぃにぃが入院という事は親が付き添わなければならないが、付き添い入院してしまうと妹ちゃんはどうなるというのだ。
だから入院になった時の病棟の婦長さんに状況を説明し、付き添い入院の場合妹ちゃんも一緒に連れて入院したいと伝えた。
返事はNo。
入院している子供から(にも)外からの菌が悪影響を与えるから小さい子の小児病棟への入棟は禁止されているから誰かに妹ちゃんを預けなさい
と無碍に断られた。
我が家には自分以外子供の世話をする大人は居ない。
実家の両親も仕事を持っており、無理な状態。
そんな押し問答を婦長の間でしているうちに婦長が実家へ電話をかけ無理矢理実家の了承をもぎ取る形になった。
突然の電話に実家の母は仰天
とりあえずその日は手術日を決め、入院の準備をし帰宅した。
しかし自分の中では納得しきれていなかったので近所の皮膚科をもう一度受診した。
この時知人の子供が似たような症状で皮膚科を受診で薬の処方で済んだと聞いたのが頭を過ぎったから。
受診結果はご大層な手術の必要は無いだろうと言われた。
片方では手術必要、もう片方は必要ない。の正反対の言葉に総合病院の小児科医へ電話をかけ言われた事をすべて伝え判断を仰ぐと、小児科は激怒し
そんなに信用ならないのならそこで診て貰えばいいだろう!!
と電話を切られてしまった。
その夜。
実家の母から話しを聞いた父は母以上の衝撃。
なんせ1歳にならない小さな子供が全身麻酔の手術を受けるというのだから。
たまたまこの時父の仕事関係の小児科の先生がいた。
夜遅い時間にも関わらず父にその小児科に電話を入れてもらい事情説明し判断を仰いだ結果、その夜遅い時間にも関わらず連れて来るように言って頂いた。
車で1時間かけて到着すると、にぃにぃの為に電気を通常通り付け、嫌な顔一つせず診てくれた。
そしてこれは確かに肛門周囲膿瘍ではあり、手術は必要だが、全身麻酔のご大層なものではなく局所麻酔で患部を突いて膿を出すぐらいの簡単なもので十分と言われました。
そして自分の後輩が外科部長をしているという総合病院へ紹介状をも書いてくれました。
この雲泥の差の対応にもうあの病院への信頼さえ無くなり、もう行かないとさえ思いました。
手術は結局紹介状を携えて行った方で受け、入院も不要。その日の内に帰宅できました。
未だにその病院へかかると「あの時の傷はもう大丈夫?」と優しく声かけして頂いております。
この事以外にも知人の子が別の病院で大手術を受けた際、普段は一般の人が使わない手術室近くのトイレで研修医が酒臭い息を振りまき、明らかに面倒くさそうに今から入る手術かったる〜〜〜〜といった態度に怒り心頭だったという事を聞いた事もあります。
親はみんなモンスターペアレントになる要素をもっているのかもしれません。
でもそうなるかどうかは別であり、医師がそればかりを理由に挙げる以前に医師の意識も変える必要があるのではないかと思います。
どんな諍いでも片方だけが悪いという事はありません。
どんな小さい理由でも双方に原因があるのです。
相手が怒っていたら鏡に映った自分がそれなんだと思いなさい。と人に言われた事があります。
すべての事に当て嵌まるのでしょうね。*2

*1:引用すると伏字の意味がなくなるので敢えて引用致しません

*2:舅等との事だけにはそう思えない心の狭い私がここにいたりする(ノ__)ノ